平成22年 8月 発行
 
  第104号
 

〜食中毒について〜
 食中毒は、その原因になった因子・物質によって、@細菌性食中毒、Aウイルス性食中毒、B化学性食中毒、
C自然毒食中毒、その他に大別されます。
 食中毒の直接の原因は、飲食物などに含まれていた有害・有毒な原因物質を摂取することによりますが、その原因
物質が直接毒物として作用する場合と、原因物質が微生物であり、その増殖によって消化管の感染症を発症する場
合に分けられます。
 梅雨で高温多湿となる夏期に、最も食中毒の発生件数が多くなりますが、そのほとんどは細菌性食中毒の様です。
主な食中毒細菌
  黄色ブドウ球菌 おにぎり、すし、弁当など。皮膚常在菌が食品へ移行し、食品表面で増殖、耐熱性の
                毒素を産生する。
  サルモネラ菌 鶏肉、卵など。人や動物に広く分布。熱に弱い。
  腸炎ビブリオ 未加熱魚介類、刺身など。海水の常在菌。増殖が非常に早いが真水や熱に弱い。
  カンピロバクター肉類。動物の腸管内に存在する。潜伏期間が長く、少量の菌でも食中毒を起こす事がある
               熱や乾燥に弱い。
 管出血性大腸菌(O-157)動物や保菌者の糞便に汚染された食品など。人や動物の腸管内に存在する
                     病原性大腸菌の一種で、わずかな菌で発症する。
                     熱や一般的な消毒薬に弱い。
 

    多くの微生物は目に見えない事や、食品中で増殖し食中毒を発生しうる状態となっていても味や臭いを変えな
  い為、食中毒を完全に防ぐ事は困難です。そこで食中毒予防の三原則を守ることで食中毒の予防をします。
 「つけない」
 「火のないところに煙りは立たぬ」のことわざではありませんが、微生物を食品につけなければ、食中毒は起こり
 ません。
 手指・調理器具や衣服などを清潔に保つ、食品を取り扱う方は健康に心がける、調理場内外をクリーンにすると
 いった事が大切です。
 食中毒の原因となりやすい生の魚介類を調理したまな板や包丁を、別の調理にそのまま使うと、他の食品が二
 次汚染され、新たな食中毒が発生します。
 「増やさない」
  
 どんなに微生物を食品につけないように努力しても完全な無菌状態で行う事は困難です。衛生管理上で重要なの
 は、微生物を増やさない事です。
 微生物が増殖する時間を与えないよう・増殖できる温度にしないようにしましょう。
 「やっつける」
    
 ほとんどの微生物は熱に弱いので、食品の中心部まで十分に加熱すると大変効果的です。食品や調理器具、シ
 ンクや冷蔵庫などは、熱湯や塩素系殺菌剤などで、また、手指は逆性石けんなどの殺菌剤で消毒する事をおす
 すめします。
                                            ※抜粋 社団法人東京都食品衛生協会 

株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター