平成23年12月発行
 
  第121号
 
 
水質汚濁防止法に係る人の健康の保護に関する環境基準の見直しについて

 
環境基準とは
 人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持させることが望ましい基準として、終局的に『大気』・『水』・『土壌』・『騒音』 をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかを定めたもので、「維持させることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標となっています。
 

水質汚濁に係る環境基準について
 環境基本法第16条に基づき定められている水質汚濁に係る環境基準のうち、人の健康の保護に関する環境基準については、公共用水域について27項目、地下水について28項目が定められています。

今回改正の概要
 水質汚濁に係る環境基準のうち、人の健康の保護に関する環境基準における『カドミウム』について、基準値の見直しを行い、改正前の0.01mg/L から 0.003mg/L と変更になりました。
 施行は平成23年10月27日からとなっています。


≪公共用水域27項目≫
  ・カドミウム
・全シアン
・鉛
・六価クロム
・ヒ素
・総水銀
・アルキル水銀
・PCB
・ジクロロメタン
・四塩化炭素
・1.2-ジクロロエタン
・1.1-ジクロロエチレン
・シス-1.2-ジクロロエチレン
・1.1.1-トリクロロエタン
・1.1.2-トリクロロエタン
・トリクロロエチレン
・テトラクロロエチレン
・1.3-ジクロロプロペン
・チウラム
・シマジン
・チオベンカルブ
・ベンゼン
・セレン
・ほう素
・ふっ素
・硝酸性窒素
     及び亜硝酸性窒素
・1.4-ジオキサン

≪地下水28項目≫
上記27項目に 『塩化ビニルモノマー』 が追加

項目名 施行前基準値 施行後基準値
カドミウム 0.01mg/L以下 0.003mg/L以下
※備考) 基準値は年間平均値とする

改正の対象となったカドミウムとは…
 元素記号Cdで表わされる、銀白色の軟らかく展性に富む金属で、人体には有害であり、四大公害病の一つでもある【イタイイタイ病】の原因とされています。
用途としては、二次電池の電極や塩化ビニル安定剤、塗料、メッキ工業など、広い用途で使用されています。

今回改正されたカドミウムだけではなく、私たちの生活を取り巻く環境は常に変化をしています。
環境水についても、今後、水道水と同様の厳しい基準が求められる傾向になりつつあり、私たちはこれからも基準改正の動向に注意をしていく必要があります。

株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター