平成25年11月発行
 
  第145号
 
 
騒音と振動について    

騒音とは
「騒がしくて不快と感じる音」をいいます。

不快だと感じる方は、人により大きな差があります。一般的に騒音とされる音として、概して大きい音、音色の不快な音、音色聴取を妨害する音、休養・安眠を妨害する音、勉強などの能率を妨げる音、生理的障害を起こす音があります。

振動とは
「地面や建物が揺れて人に不快感を与えるもの」をいいます。

公害としての振動は、工場の機械の稼動や建設工事、自動車の通行などにより、地面や建物が揺れて人に不快感を与えるものをいいます。工場の機械の振動や建設工事、大型車両の通行等を原因として振動が発生します。

騒音振動の法的な位置付け
騒音 評価方法 騒音の種類 測定義務
環境基準 環境騒音
航空機騒音
新幹線鉄道騒音
道路交通騒音
あり
(都道府県・市)
規則基準(騒音規制法) 工場騒音
建築作業騒音
道路交通騒音
なし
(事業者に遵守義務あり)

振動 評価方法 騒音の種類 測定義務
規則基準(振動規制法) 工場振動
建設作業振動
道路交通振動
なし
(事業者に遵守義務あり)

騒音振動の法的な位置付けを右図に示します。

環境基準で評価される騒音には、都道府県、市に測定義務があります。

騒音規制法、振動規制法で規制される騒音振動には、事業者に規制の遵守義務はありますが、測定義務はありません。

上記のように、法的に一部を除き事業者等に測定義務はありません。しかし、周辺住民から苦情があった場合、又は監督官庁(県や市)が必要と認めた場合、監督官庁は抜き打ちで独自に測定を行います。その結果、規制基準を超過した場合には、最悪の場合、改善命令、罰金などの行政処分が下されます。
また住民からの苦情は感情問題となっている場合が多く、一度発生した苦情はなかなか収まらず、事業活動の妨げとなることがあり、避けなければなりません。
弊社での測定事例

測定の種類:建設作業騒音振動
依頼者:某建築業者様
調査の目的・内容:河川の築堤工事(強化工事)において、杭打ち工程の際に発生する振動の周辺民家への影響が懸念されたことから、騒音振動測定を実施しました。
最終的に、工法毎に影響が懸念される範囲、問題ないと考えられる範囲を予測し、報告致しました。

騒音や振動は、目に見えない物理現象のため、「感覚公害」と呼ばれています、
目に見えない現象だからこそ、それを的確に測定し数値という形で可視化することが安心につながります。
事業活動を円滑に継続するために、騒音と振動の測定が必要不可欠です。
株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター