平成26年8月発行
 
  第154号
 
〜温泉・浴槽施設でのレジオネラ属菌汚染防止〜

 弊社では,浴槽水検査としてレジオネラ属菌の検査を行っております。レジオネラ属菌はレジオネラ症を発症させる恐れがあり,浴槽施設では安心して利用できるよう,レジオネラ症の発生防止のため,衛生管理を徹底しなければなりません。今回は,レジオネラ属菌汚染防止のための施設管理方法についてご紹介致します。


Q. レジオネラ属菌の繁殖場は?

Q. レジオネラ属菌はどのように繁殖する?

以下に示しているような場所では,レジオネラ属菌が繁殖する恐れがあります。
貯湯タンク内のスケール
・塩素系殺菌剤が効きにくい
・薬品洗浄は基本的に無効 → 高圧洗浄
タイルの隙間,ひび割れ,老朽化した部分
・生物膜(ぬめり)が繁殖しやすい。
木風呂
・一度,生物膜(ぬめり)が繁殖すると
 完全に除去することが困難
天井に繁殖したカビ
・湯気で舞い上がった水滴によってカビが繁殖
 → 菌が水滴と共に浴槽内に落下(悪循環)
水位計
・汚れの貯まりやすい場所
・水が滞留しやすい場所→菌が繁殖
配管関係
・目に見えにくい場所
・水が滞留しやすい場所
浴槽水に老廃物(有機物)が増加 根源を断ち
レジオネラ属菌
の繁殖を防止
一般細菌が増加
生物膜(ぬめり)の形成
アメーバの出現
   
アメーバにレジオネラ属菌が
寄生・繁殖
 
 
レジオネラ属菌がアメーバを
破壊し拡散
 
≪レジオネラ検出画像≫
Q. レジオネラ属菌汚染を防止する対策は?

 まずは,遊離残留塩素濃度を通常0.2〜0.4mg/Lに保つことが重要です。また,(1)貯湯タンクは湯温を60℃以上に保ち,生物膜の除去を行うための清掃・消毒を行う。(2)ろ過器・循環配管は1週間に1回以上洗浄および消毒を行う。(3)浴槽は満杯の状態を保ち,溢水させ,原則毎日完全に換水して浴槽の清掃を行う(毎日完全換水が不可能な場合,1週間に1回以上完全に換水して,浴槽の清掃を行う)。(4)浴槽に気泡発生装置等を設置している場合,連日使用している浴槽水を使用しない。(5)打たせ湯およびシャワーには,循環している浴槽水を用いないことがレジオネラ属菌汚染を防止する対策となります。弊社では、迅速かつ正確なデータを提供できるよう心掛けております。是非,最寄りの営業所までご相談ください。

株式会社 東洋環境分析センター 株式会社 東洋環境分析センター