平成17年7月発行
 
 第34号 
 

アスベスト分析について

  本年4月より作業環境評価基準の改定に伴い、7月より石綿の管理濃度が2f/cm3から0.15f/cm3(空気1cm3中に長さ5μm以上の石綿繊維が0.15本。 但しアモサイト・クロシドライトは除く)へ引き下げられました。

  最近、アスベスト製品の厳格な管理が求められる中で、建材等製品中のアスベストの分析評価が必要となっております。 下記に建築物の解体・改修作業の事前調査後の試料採取から分析までの対応について、概略フローを交えご説明いたします。

石綿含有建材の石綿含有率測定手順

(※注意1):1点あたりの採取量は、吹き付け材、保温材においては10cm3程度、成形された建材は100cm3程度をとる。 また、採取においては、弊社にて石綿について一定の知識を有しているものが防護マスク、防護服等の保護具を付けて行います。

(1)光学顕微鏡 分散染色法 個々のアスベストが特異的に持つ光分散特性(光の波長による屈折率の違い)を利用して行う分析方法です。
(2)X線回折分析法 X線が物質によって散乱されるとき、散乱波の強度が干渉のため方向によって変化することを利用し、採取試料のX線回折パターンを石綿標準試料のそれと比較し定性を行う。また、回折X線強度によりその定量を行う。