平成18年10月発行
 
 第53号 
 

クリプトスポリジウム暫定対策指針の改正(案)

平成8年に、水道水によるクリプトスポリジウムによる感染症が発生しました。
厚生労働省では、平成8年に「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」を策定し、 平成12年に制定した「水道施設の技術的基準を定める省令」において、 原水に耐塩素性病原生物が混入するおそれがある場合には、ろ過等の設備を設置すべきことを規定し、対策の推進を図っています。
今回の月刊東洋では、厚生労働省のクリプトスポリジウム対策の見直し案についてご紹介します。

<<原水から指標菌が検出されたことがある施設>>
クリプトスポリジウム等による汚染のおそれがあるとして、適切な頻度で原水の検査を行うとともに、
(1) 地表水を原水としている場合、ろ過設備を整備すること
(2)地表水以外を原水としている場合、ろ過設備または紫外線処理 設備を整備すること

<<原水から指標菌が検出されたことがない施設>>
(1) 地表水等が混入していない被圧地下水以外の水を原水としている場合は、原水の指標菌を定期的に検査すること
(2) 地表水等が混入していない被圧地下水のみを原水としている場合は、原水に被圧地下水以外が混入していないことを定期的に確認すること

※ 紫外線処理について
紫外線がクリプトスポリジウム及びジアルジアの不活性化に有効であるとの知見が得られていることを踏まえ、 クリプトスポリジウム等対策として紫外線処理設備を位置づける

汚染のおそれの判断 検査頻度
レベル1 地表水が混入していない被圧地下水のみを原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことが無い施設
年1回、原水の水質検査を行い、大腸菌、 トリクロロエチレン等の地表からの汚染の可能性を示す項目の検査結果から被圧地下水以外の水の混入の有無を確認すること
3年に1回、井戸内部の撮影等により、ケーシング及びストレーナーの状況、堆積物の状況等の点検をおこなう
レベル2 地表水が混入していない被圧地下水以外の水を原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことが無い施設 原水の指標菌   3ヶ月に1回以上
レベル3 地表水以外の水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことのある施設 検査計画に基づき、適正な頻度で実施する
ただし、クリプトスポリジウム等の除去又は不活化のために必要な施設を整備中の期間においては、 原水のクリプトスポリジウム等を3ケ月に1回以上、指標菌を月1回以上
レベル4 地表水を水道の原水としており、当該原水から指標菌が検出されたことがある施設

株式会社 東洋環境分析センター
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