「 おいしい水 」 って?
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今、日本では、ミネラルウォーターが自動販売機の4分の1を占めており、「水」への関心は高まる一方です。ところが、意外にも身近な「水」に関することはあまり知られていません。「おいしい水」とは一体何なのでしょうか?また、どのようにしたら身近な水がおいしくなるのでしょうか?今回は、そのような素朴な疑問にお答えするべく当委員会で独自に調査を行いました。 |
味の好みは十人十色ですが、一般的には、以下のような条件を満たした水が「おいしい水」と言われています。 |
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* | 硬度 : 30 〜 200 mg/l 硬度とは、カルシウムとマグネシウムの含有量を数値化したものです。水の味や粘度に影響を及ぼし、特に、硬度が 100 mg/l 前後の水がおいしいと言われています。なお、マグネシウムは苦味を持つため、カルシウムが多い水の方がおいしいとされています。 |
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* | 炭酸ガス : 3 〜 30 mg/l 水の中に炭酸ガスが含まれると、人は新鮮味を感じます。 |
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* | 温度 : 5 〜 15 ℃ 人が心地よいと感じる温度です。一般的に、温度が低いほど苦味や塩味が敏感に感じられ、温度が高いほど甘味を感じることができます。 |
以前に比べ、水道水をそのまま飲む人は少なくなっているようですが、実は、日本の水道水は世界でも最も安全な水とされており、味もおいしい方に分類されます。これは、日本の水が総じて「軟水」(硬度が 100 mg/l 以下のもの)である一方で、海外の水、特にヨーロッパの水は「硬水」(硬度が 250 mg/l 以上のもの)だからです。 そんな身近にある水をもっとおいしくするための知恵がいろいろとありますが、今回は、備長炭・竹炭を用いて実際にどれほど味に変化が起こるか、独自に調査しました。 |
* | 10名の人に A 〜 F の水を試飲してもらい、感想を聞きました。 |
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A : 比較的飲み易い感じ。 B : カルキ臭い。ぬめっている感じ。 C : 何も入っていない、柔らかい感じ。 D : おいしくはない。Bよりは飲み易い。 E : 飲み易い。おいしい。 F : 苦味を感じる。おいしくない。 |
上記の結果からも分かるように、私たち日本人は、硬度の低い軟水をおいしいと感じ、硬度の高い硬水を飲みづらく感じる人が多いようです。また、水道水を利用する場合、硬度等にあまり変化はみられませんでしたが、備長炭よりも空隙が多い竹炭を浸した水の方が味がまろやかに感じられるようです。 |
「おいしい水」の硬度は 30 〜 200 mg/l と言われていますが、決して、“軟水がおいしく、硬水がおいしくない”というわけではありません。例えば、ダシが基本となる和食には、昆布やかつお節などに含まれるミネラルが溶け出しやすい軟水が適しています。しかし、お肉を調理する場合は、カルシウムがお肉を硬くする成分と結合してアクとなって出てくるため、硬水を用いた方がお肉を柔らかく調理することができます。 身近にある水をよりおいしく摂取するためには、用途に合わせて上手に活用することが大切なのです。 |