平成19年12月発行
 
  第68号
 


水質管理目標設定項目が改正されます

現在、水質管理目標設定項目は水質基準を補完する目的で27項目が設定されていますが、平成20年4月1日以降は塩素酸が削除され、新たに「 従属栄養細菌」 が追加されます。また、その項目中の「農薬類」の対象農薬リストにおいては、現在の101項目に新たに 「フィプロニル」 が加わります。

◎ 水質管理目標設定項目
 水質管理目標設定項目は、水質管理上留意すべきものとして行政通知で示されています。将来にわたり水道水の安全性の確保を行っていくうえで、水道事業者が必要に応じて測定し、知見を集積していくことを求められています。

▼ 従属栄養細菌
 従属栄養細菌は、有機栄養物を比較的低濃度に含む培地を用いて低温で長時間培養し、集落を形成する全ての細菌を算出することで測定します。そのため、生育に有機物を必要とする多様な細菌を検出することができます。

○従属栄養細菌と一般細菌の比較
 従属栄養細菌は、有機栄養物を比較的低濃度に含む培地を用いて低温で長時間培養し、集落を形成する全ての細菌を算出することで測定します。そのため、生育に有機物を必要とする多様な細菌を検出することができます。

  培地 有機栄養物 培養温度 培養時間 検出される細菌 基準値(CFU/mL)
従属栄養細菌 R2A寒天培地 低濃度 20±1℃ 7日間 生育に有機物を必要と
する多様な細菌
2000(目標値)
一般細菌 標準寒天培地 高濃度 36±1℃ 24±2時間 水中の細菌の一部 100

従属栄養細菌は、本質的な水中細菌数を表現でき、また培養方法が確立しているなど、水道施設の清浄度の劣化を端的に表現する指標として優れています。一方、現在水質基準で採用されている一般細菌は、従属栄養細菌と比べ感度が劣るものの、従属栄養細菌との量的相関が認められること、培養技術が確立していること、培養時間が短いことから、当面は水質基準項目として据え置くことが妥当であると考えられています。

▼ フィプロニル

 フィプロニルとは、国内推定出荷量が年間50トンを上回る物質で、殺虫剤として農薬に用いられています。また、近年では「ゴキブリ駆除剤」や「犬・猫用ノミ・ダニ駆除剤」として広く使用されている様です。
管理目標設定項目一覧はコチラ

 来年度(平成20年度4月〜)の水質検査計画を立てる時期になりました。水質基準の検査と共に水質管理目標設定項目の検査も計画に加え、水の安全性の確保に努めて参りましょう。
 水質管理目標設定項目・水質検査計画などに関して不明な点がございましたら何なりとご質問ください。
by.ebi

株式会社 東洋環境分析センター
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