平成20年1月発行
 
  第69号
 


労働安全衛生法施行令改正について
〜 ホルムアルデヒドによる健康障害防止対策強化へ 〜

 ホルムアルデヒドに係る労働者の健康障害防止対策を強化することを目的として、「労働安全衛生法施行令 の一部を改正する政令」(平成19年政令第375号)が平成19年12月14日に公布されました。これに伴い、「特定 化学物質障害予防規則等の一部を改正する省令」(平成19年厚生労働省令第155号)その他関係告示が平成 19年12月28日に公布・公示されましたのでご紹介いたします。

ホルムアルデヒドとは
 ホルムアルデヒド(CH2O)とは、炭素原子(C)に酸素原子(O)1つと水素原子(H)
2つが結合した構造をしている有機化合物で、刺激臭を持つ無色の気体です。合成
樹脂などの原料や接着剤、塗料、防腐剤などの成分として、建材に広く用いられて
おり、「シックハウス症候群」の原因物質のうちの1つとして知られています。

法改正に至るまでの経緯
 合成樹脂の原料などに用いられるホルムアルデヒドは、化学工業や病院、試験研究施設などで幅広く使用され、非常に多くの労働者が取り扱っています。 平成16年、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が、ホルムアルデヒドを発がん性物質と評価しました。ホルムアルデヒドのばく露によるがんは数十年後に発症するといわれています。このため、化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会は平成18年に出した報告書で、国によるホルムアルデヒド規制の検討を促しています。これを受けて厚生労働省は、この度労働安全衛生法施行令の一部を改正し、特定化学物質の見直しを行うこととしました。


主な改正の内容
  (1) ホルムアルデヒドを第3類物質から第2類物質への変更。
  (2) ホルムアルデヒドを製造し、又は取り扱う作業場については、6ヶ月ごとに1回、作業環境
測定を実施し、その記録を30年間保存することの義務化。
空気中のホルムアルデヒドの濃度測定
試料採取方法:固体捕集方法又はこれと同等以上の性能を有する試料採取方法
分析方法:高速液体クロマトグラフ分析方法又はこれと同等以上の性能を有する分析方法
※ホルムアルデヒド以外の物質が測定値に影響を及ぼす恐れのないときに限り、検知管法によることができる。
管理濃度:0.1ppm
  (3) 発散抑制措置(発生源の密閉化、局所排気装置の設置)
  (4) 一般健康診断の実施(6ヶ月ごとに1回)
  施行日: 平成20年3月1日


☆編集後記☆
 弊社においても、ホルムアルデヒドの作業環境測定を請け賜っておりますので、ご質問・ご依頼等ございましたら、担当営業までお問合せ下さい。 
(K.N)

株式会社 東洋環境分析センター
株式会社 東洋環境分析センター