平成21年6月発行
 
  第88号
 
(中国産養殖鰻で問題となった抗生物質)


【土用の丑の日になぜ鰻を食べるのか?!】
 鰻を食べる習慣についての由来には諸説あり、讃岐国出身の平賀源内が発案したという説が最もよく知られています。これは文政5年(1822年)の、当時の話題を集めた『明和誌』(青山白峰著)に収められています。 それによると、商売がうまく行かない鰻屋が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の所に相談に行きました。 源内は、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という民間伝承からヒントを得て、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めたそうです。すると、物知りとして有名な源内の言うことならということで、その鰻屋は大変繁盛しました。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したといいます。 頭文字に『う』が附けば良いわけだから、『うどん』でも良いような感じがしますね。
今年は、7月19日が土用の丑の日です。食の安全が騒がれる中、私たち消費者も安心して食事できるように、また、鰻を提供する生産者も以下のような知識は身につけておきたいものです。 昨今、中国産養殖鰻で問題となっている抗生物質マラカイトグリーン・ロイコマラカイトグリーンについてご紹介いたします!!

    【知っておきたいマラカイトグリーンとロイコマラカイトグリーンの基礎知識】

1、マラカイトグリーンとは
 緑色の合成色素として絹・羊毛・皮・綿等の染色に使用されています。また、抗菌剤として観賞魚の水カビ病の治療などに使用されていますが、薬事法に基づき養殖水産動物の使用は禁止されています。名前の由来は鉱物マラカイト(孔雀石)に似た色からついてます。
  また、ロイコマラカイトグリーンとは、マラカイトグリーンの代謝物として生成されるものです。毒性については、発がん性の疑いが示唆されています。

2、国内外における使用状況
 マラカイトグリーンは中国産鰻加工品から検出されることがありましたが、日本では、食品衛生法に基づき、検出された食品は流通、販売できません。
 中国では2002年から食用動物への使用が禁止されています。また、欧米諸国では、1981年にアメリカで、2002年にはEU加盟国やノルウェーで食品関連への使用が禁止されています。
中国産養殖鰻に関するQ&A http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050804-1.html
(厚生労働省ホームページより抜粋)

3、検査方法(弊社での分析方法)
検査方法の出典:食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示370号)に規定する試験方法
(液体クロマトグラフ質量分析法)
分析工程
(1)試料の分取(再検査用・保存試料等を含め約100gを用意し、その中から約10〜20gを使用する。)
(2)前処理(対象物質の抽出)
(3)LC/MS/MSでの分析
(4)計算等(データの精査)・・・結果によっては、再検査を実施
(5)結果報告・・・公定法により実施した結果及び分析方法を記載し報告
(基準値:不検出   定量下限値:0.002mg/kg)

 上記内容に関するご意見、ご質問等がございましたら、営業担当者までお問い合わせください。
by Kuro
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